2005年05月11日

『巌窟王』まとめ(思うこと多々あれど、一先ずの別れ)

 巌窟王_EX.mp3←音声記事。『巌窟王』の感想や考察。考察…… といっても勝手に思っている事を書いているだけですが、コメント頂いたことへのお返事も兼ねましてまとめてみようかと。

 ゆらコイさんへのお返事も兼ねて。(大変遅くなり申し訳ございません)

 ※「巌窟王」はどうなってしまったのか。
 ここでの巌窟王エドモン・ダンテスの友で、イフ城で鎖に繋がれたまま肉体は朽ちた初代かどうかは分りませんが「巌窟王」と呼ばれた存在をさしますが、さて彼は伯爵の肉体を離れた後どうなったのでしょうか?

 毎回のナレーションが巌窟王本人であったようなので、彼の語りからすれば後々に今回のエドモン・ダンテスの復讐劇に関する事を回想しているように受け止められます。私の考えを簡単に述べると「アルベールの近くに居ます」でしょうか。

 これは物質的距離感を言っているのではなく精神的距離感での‘近く’でございます。彼は長年己の友を待ち続けていた訳ですが、エドモン・ダンテスがイフ城に囚われ、更に彼の精神状態が巌窟王の友として、器たるに相応しくなるまで見続けて待ち続けていた事でしょう。そう、巌窟王になるに相応しい男はそうそう居ない訳なんですが、何と今回は居るじゃないですか、直ぐ傍に。

 巌窟王の深遠なる考えを凌駕し、より友としてエドモンの傍に行けた男「アルベール」こそが次期巌窟王に相応しい青年ですよね。アルベールが地球に帰ってこなかった、フランツの墓前に現れずに走り続けていたのは、おそらく自分が伯爵のようになりたいと強く願い、憧れる事が「巌窟王」となって人々に恐怖を与える復讐者へとなってしまう可能性と紙一重である事を自覚しているのでしょう(どの程度かはともかく)アルベールが真の絶望を味わった時、その絶望を与えた存在へ対する復讐の炎を消せないとしたら。フランツに会いに行って、やはりフランツの死が納得いかずに復讐の念が燻り続け、大きな火種になりえるとしたら。

 後ろを振り返らないのは追われているからでしょう。それは様々な思いであるのでしょうが、それに追いつかれ捕らわれてしまった時に巌窟王の誘いがやって来る事でしょう。巌窟王の精神に時間と距離はあまり関係無いことでしょう。そして、アルベールが全てに絶望する事があるとすればやはりその根源はパリに求める事が出来るでしょう。ならばそこに「巌窟王」は存在し、アルベールが何処に居ようとも近くに居て友たる資格を得るに相応しいアルベールを待ち続けることでしょう。それが彼の希望でもあるでしょうし……


 >何故アルベールはフェルナンにメルセデスは死んでいないと教えなかったのか
 これは三人の関係を崩す事になった鍵が彼女にあるからではないでしょうか? あの場は男同士の友情を回復させるべき場であり、またエドモンフェルナンがやはり親友であった事を互いに自覚させる場であった時です。それはアルベールも無意識に察していた事でしょうし、とにかくあの場にメルセデスは必要なかったと考えます。

 更に考えを暴走させると、女性ははっきりと言葉にして言って欲しいものですが、男は言葉に出さずとも察して欲しい性分なのです。それに各自己の中にゴールの定められていない大切なもの、大事なものたちのマラソン的ものがあり。その中で一番大切なものがあったとしても、先頭集団にあたる‘複数の大切なもの’たちがその時々で微妙に入れ替わり、一番大事だと本人が考えていることよりも前に出ることってあるのですよ。

 アルベールフランツが、その思いを大切にしていますが、生きている女性の中ではユージェニーを最も愛し大切にしているはずです。しかし、いま伯爵の事も愛しており、また父親の事も愛し、尊敬しているのです。このトップグループの中でこの場での考えでは母親であるメルセデスは大切ではあっても、この場で先頭に出る必要がないのです。そして、フェルナン自身も、もしメルセデスが死んでいるのであればその事をアルベールが問うであろう、瀕死の状況でも問い詰めるであろうと考えているはず。ならば、アルベールがここで別の事柄を優先しているのであれば、それはメルセデスの命が助かった事を自然に察しているはずです。男同士の会話ってとにかく察してあげる事が相手を何故だか安心させるものなんですよ。

 アルベールだってあの場でユージェニーの事を忘れたとは言いませんが、今は格別意識する事無かったでしょう。でも先頭集団から後れた訳ではないのですよ、たままた真正面から見たら別の大事なものの影に入って確認できないだけで、ちゃんと一緒にあるのですよ。見方を変えればそれは分る事。つまりあの場の状況でアルベールユージェニーの関係を知っているものであれば、アルベールが彼女の事を大切にしていないとは何も画面で語らなくとも察せるのと同じです。

 エデ伯爵への思いを吐露したのは女性的行動として当然の事ですけど、明確な事を述べなかった伯爵。でも察せますよね? 察してあげるがここでは正しいとさせて下さい。勿論、時と場合によってはきちんとしなくてはいけないのですが、日本文化的な側面も含めた「察し」「察せることは語らない」側面から『巌窟王』を理解するのも悪くないでしょう。……ちょっと言葉足らずで脱線しておりますが、ご了承下さいませ。

 なので時間の都合ではなく「語らずとも伝わった」 そんな感じで締めます。

 全話の感想を書くことは出来ませんでしたが、全幕見ましたですよ。そんなリンクと一言述べてみました。

 巌窟王 最終幕「渚にて」 エピローグとして静かに受け止めてみました。
 巌窟王 第二十三幕「エドモン・ダンテス」 素晴らしかった!!
 巌窟王 第二十二幕「逆襲」 メルセデスが好きになれない事を痛感。
 巌窟王 第二十一幕「貴公子の正体」 考察はしないんじゃなかったのか、俺?
 巌窟王 第二十幕「さよなら、ユージェニー」 ユージェニーは本当に可愛かったです。中村千絵さんは所属事務所が大手でない(おいおい)ので聴く機会が少ないのが残念。
 巌窟王 第十八幕「決闘」謎のおまけ付き フ、フランツぅーーー…………
 巌窟王 第十四幕「さまよう心」 次回が待ちきれない様子です。
 巌窟王 第八幕「ブローニュの夜」 まさかマクシミリアンが報われるとは!!
 巌窟王 第七幕「秘蜜の花園」ちょろっと追記 エロイーズのエロに反応を起こす(苦笑)
 巌窟王 第六幕「僕の憂鬱、彼女の憂鬱」 この頃にはかなり嵌っていますね。でも考察はしないつもりでした(爆)
 巌窟王 第二幕「月に朝日が昇るまで」 この頃のアルベールは好きでは無かったですね。
 巌窟王 第一幕「旅の終わりに僕らは出会う」 結構否定的な見方から始まっていますが、今でも視覚的には遣り過ぎた感を持っています。

 「待て!しかして希望せよ!」

 いい言葉だなぁ、本当に。

 巌窟王公式   巌窟王オフィシャルブログ  #巌窟王_EX
posted by みやびあきら at 17:00| 東京 ☁| Comment(1) | TrackBack(0) | 放送終了アニメ感想〜2005夏 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
初めまして

巌窟王がGYAOで再放送されています。

アルベールが投げつけて壊れた懐中時計を伯爵が持っていた訳を知りたくて、やっとここにたどり着きました。伯爵には良心が残っていたのですね。安心しました。

最終回アルベールが機内で銀時計を取り出したのを見たときは、心なしがっくりしました。もしかしたら伯爵の懐中時計かなと思っていたので。。

質問です。17話 牢獄のような伯爵の寝室で
想いを馳せる様に静かに伯爵が泣いていたのは
なぜでしょうか。

教えてください
よろしくお願いいたします。

アルベールとフランツの関係をみると、アレキサンダーとヘファイスティオンを思い出します。
Posted by isa at 2016年05月05日 19:20
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